豆知識
発祥と歴史
「植毛」の歴史は実は古く、1930年代に始めは脱毛症のための皮膚移植として治療が施されたのがきっかけで、その後も様々な方法が考案されてきました。
「自毛植毛」の元となったと考えられているのが、日本で1939年に奥田医師が行った火傷(やけど)の治療研究が最初と言われています。これ以外にも戦前に、笹川医師や田村医師などによって「自毛植毛」に関して究めて優れた術式の研究が行われていたと記録に残されています。
しかし、この貴重な研究成果も、戦争のため一度は歴史の中へと埋もれてしまいました。ところが、この研究資料が脚光を浴びたのは、1959年に、米国のノーマン・オレントライヒ医師のパンチグラフト植毛(フルサイズグラフト植毛)を確立した大きなきっかけになったのが、この研究資料だったということで脚光を浴びました。
その後20年以上この「パンチグラフト植毛」が自毛植毛の主流となりました。今日本では、若い人を中心に広まりつつある自毛植毛ですが、アメリカではすでに、20年近く前から盛んに行われ、年間100万人以上の実績があります。1990年代以降は自毛植毛技術の急速な進化により、マイクログラフト植毛やフォリキュラーユニット植毛といった手法が確立し、さらなる発展を遂げました。
しかし、アメリカでは人工毛植毛によるミスや事故が多発し、1980年代にはすべての州で人工毛植毛手術が禁止されました。一方、日本では、日本皮膚科学会で2010年に発表された脱毛症診療ガイドラインで「D」(行わないよう勧められる)の評価が下されました。